7.6℃・・・立秋です。
さかきです。
昨日からの悪天候は、今日の午前中がピーク。
まとまった雨、というよりはかなりの大降りと強風で、昨日からご宿泊されていた方々は、皆さん身動き取れず、全員ご連泊となりました。
日中の気温は10℃前後で推移していましたが、今日のような雨風の強い中での稜線歩きは、低体温症のリスクがとても高まります。
雨具を着ているとはいえ、雨風強い中では次第に全身濡れた状態となり、何かを食べたり飲んだりする気力がグッと低下してしまいます。体温を維持するのに必要なカロリーが摂取できず、やがて思考力が低下し、体の動きも鈍くなり、行動不能となってしまう・・・大天井岳周辺では、過去にもこの夏の時期に低体温症で救助される例が数件ありました。
「自分達は大丈夫」という過信が、一番大敵です。
低体温症は、自分が気づかないうちに発症しているケースがほとんどです。
◎十分な睡眠
◎朝食をしっかり食べる
◎行動中も栄養補給を必ず摂る
◎極力濡れない工夫をする
◎ご自身の技量に不安を感じたら、引き返す
悪天候時の森林限界を越えた稜線歩きは、細心の注意を払っての行動をお願い致します。
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昼過ぎ頃から雨は小降りに、しかし風は相変わらず止むことはなく・・・
夕方近くの天気図を見ると、この時期にしては珍しい「冬型の気圧配置」と似ています。
お客様のご夕食を出し終え、中天井岳方面へ意を決し目指します。
確かに、西寄りに強烈に吹き付ける風は15m/s~20m/sはあったと思われます。この時期にしてはかなり冷たく・・・というよりとても寒さを感じる風でした。
山頂から大天井岳山頂方向を見上げると、次から次へと雲が流れ込んできます。
まさに、冬の季節風で流れ込む雲の様相と似ています。
東に目を向けると、その流れ込む雲は、常念岳上空にまで及んでいました。
気づけば、カメラを持つ手がやや悴んでいました。
小屋に戻り、ちらっと温度計を見たら、7.6℃。
一頃に比べると・・・というよりも一気に気温が下がりました。
前述した「冬型の気圧配置」により、寒冷前線の通過で大陸からの冷たい空気を一気に引き寄せた影響でしょう。
そうか、今日は二十四節季の一つ「立秋」。
麓の暑さとは裏腹に、北アルプスの山々には、“秋”が一足先に訪れました。
