今年初の水源地。
さかきです。
本格的な夏山シーズン到来となる海の日の連休まであと一週間程。受け入れ態勢に余念のない日が続く中、今日は今シーズン初の水源地作業に行ってきました。
終日、霧なのか霧雨なのかどちらともつかない天気。こんな日の草付きの登山道は大変滑りやすいもの。水源地へは、そんな草付きの獣道のようなものを標高差約400m下っていきます。
▲沢筋に立つ水源地の小屋
冬の間、数メートルの雪に埋もれるであろうこの沢筋に、水源地の小屋は立っています。
この中に越冬中収められている、タンクやパイプを引っ張り出すことから作業は始まります。
▲小屋の内部 左奥:発電機 右手前:動力噴霧器
標高差400mを一気に揚水するには、画像にある二つの機械が必要です。動力噴霧器とは、一般に農薬散布で使用する機械で、よく“動噴”と呼ばれている物ですが、これを山小屋の揚水作業に転化しようと考えた、昔の山小屋の人はすごいなと思います。
水源地の小屋から、直径わずか3㎝に満たないパイプが、大天荘まで這わせてあるのですが、冬の間、要所切断し丸めて、雪害に遭いにくい場所に括り付けてあるものを、こうして再び接合してゆきます。
そういった対策を講じてはいても、どうしても冬の間、雪の重さで所々破損してしまっている箇所もあり、その都度修理を施し、全線繋げていきます。
丸一日がかりです。
こうして、全線破損個所が無くなれば、めでたく大天荘までおいしい岩清水が揚がり、皆様にご提供できる、といった具合です。
ちなみに本日、無事に大天荘まで水が揚がることが確認できたので、明日以降、順次既存の雨水から岩清水に、大天荘の蛇口から出る水は切り替えていきます。
貴重な水、今シーズンも山に関わる人たちへの恵みの水として、滞りなく提供頂けますように・・・
無事に今日の作業を終え、帰りしなの道中。
▲雷鳥の雛
雛6羽の家族に遭遇。本当は母親のお腹の下に雛6羽が温まっていたところだったのですが、私が彼らの存在に気付くのが遅かったため、結果驚かせて、皆右往左往させてしまう破目となりました。
ごめんなさいね・・・
<おまけ>
水源地から夕方戻ってくると、ずーっと霧に覆われていた大天井岳周辺、にわかに視界が開け、ほんの少し槍の頭が。
今日の労をねぎらってくれているかのような、神秘的な光景でした。