山を離れても
昨日、残りの水揚げ用のパイプの巻き取り作業を行いました。
移動の途中、ふと見上げた空に一本の棒雲が横たわっていました。
ヒュッテ大槍から見える紅葉は最盛期を終え、色がくすみだしていますが西岳の斜面は未だ色彩を保っていました。
雪解けの頃から風雨の中でも水を運び、山小屋の生活を支えてくれた水揚げの機材たちも、しばらく休む時です。
最後に、今期の小屋の下見に訪れた際の写真を。
今季ここで生活するという新鮮な気持ちと緊張感を抱いていたことを思い出します。
秋は一足先に静かに山を離れていきます。
けれど、ここで過ごした時間は確かに心に刻まれ、下山したあとも、冬のあいだも、ふとした瞬間に思い出すでしょう。
今季も私の拙い文をご高覧いただき、本当に有難うございました。
港
