登高の日に
昨夜、ヒュッテ大槍の上空には、朧に霞む満月が浮かび雲をやさしく照らしていました。
昼間の山の力強さとは異なる、しっとりとした美しさを湛えていました。
そして迎えた今朝。
東の空から昇る朝日は、稜線を黄金に染め、雲海を紅に染めていきました。
赤く熟したナナカマドの実が季節の歩みを伝えてくれます。
今日は「重陽の節句」。
菊を供え、高きところに登り長寿や厄除けを祈る、「登高」の習わしが古くから伝えられています。
ここヒュッテ大槍で迎える一日は、まさに山に身を置く私たちに重なる文化です。
暦の上では、「白露」を過ぎ、朝の空気は澄み渡り、草花は白い露が宿る季節となりました。
港
