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大天荘 / DAITENSO

決して無理はなさらずに・・・


さかきです。

 

日中は風雨強く、時折雷も鳴る空模様、数日ぶりの梅雨空でした。

また、10℃に満たない気温ということもあり、稜線歩きにはとても厳しい気象条件だったと思われます。

今日のご宿泊はごくわずか。

そのうちのお一人、薄手のウィンドジャケットが雨具代わりで、到着時は全身びしょ濡れ。小屋の中に入った途端、緊張が一気にほぐれたのでしょうか、猛烈な“震え”に襲われます。

低体温症です。

ご自身で靴を脱ぐことができず、またご用意したお茶等を口に含むことも儘ならず・・・即乾燥室にお連れし、濡れた衣類を下着含めてほぼ全て脱いで頂き、湯たんぽを3つ、両脇と股の間に挟みつつ、毛布を被って約1時間。

ようやく正気を取り戻されました。

年齢が30代前半の男性、基礎体力がおありの方だったこともあり、なんとか耐えしのぐことができたとのだと思います。気温がもう1~2度低ければ、危うく道中で動けなくなった可能性は拭えません。

雨具や防寒着の不備がそもそもの要因、最もそれだけではないにしろ、高所登山する上での基礎が乏しかったことが招いた、今日の事象だったように思います。

雨で濡れた体に強風が吹きつける中での稜線歩き、その状況下においては、夏場にこそ低体温のリスクは潜んでいます。今日はそこに雷も加わりましたから、かなり難易度高い登山技量が求められました。ちなみに、森林限界越えた稜線上での雷との遭遇は、逃げ場がないこともあり、かなり危険です。

 

必ず登山に出かけられる前に種々の天気予報をご確認頂き、また実際に行動される中で、ご自身の技量に見合ってないと少しでも感じられた時(不安を感じられた時)は、最寄りの小屋に留まらせてもらう、もしくは登山口まで引き返すことが大切です。

“気象遭難”こそ、十分に未然に防ぐことができます。

これから夏山シーズンを迎えますが、天気次第でくれぐれも無理をされないよう、安全で楽しい思い出作りをされて欲しいと、せつに願います。

 

そんな今日でしたが、夕方には・・・

有明山方面、きれいな光景が広がりました。

先月田植えされた稲穂が、だいぶ青々と育っている様子がよくわかります。

 

ご夕食後、元気を取り戻された低体温だった方もこの光景を目にされ、微笑まれているのを見て、心の底から本当に無事で良かったと、ほっとしました。

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