燕・歳時記 Special

燕山荘通信

槍ヶ岳登頂表銀座縦走ツアー


9月28日~30日に燕山荘企画の「槍ヶ岳登頂表銀座縦走ツアー」を催行しました。燕岳から槍ヶ岳を見ながら稜線を歩き、大天井岳、槍ヶ岳を登り、燕山荘グループの山小屋、燕山荘、大天荘、ヒュッテ大槍に宿泊するツアーです。今年は季節の進みが早く、シルバーウィーク頃に紅葉のピークを迎えたため、紅葉がもつか心配していましたが、3日間ともお天気に恵まれ、美しい紅葉の中を歩くことが出来ました。

前日は満月、しかもスーパームーン。月明かりに照らされた美しい山々を楽しむことが出来ました。そして、出発の28日は素晴らしい秋晴れの中のスタートとなりました。燕岳の紅葉も裾野へ向けて進んでいます。

「大下り」で鳥の群れが東から西へと飛んでいくのを見かけました。また、この時期はタカも南へと渡る時期となり「タカの渡り」と呼ばれています。写真に撮る事は出来ませんでしたが、そのタカを10羽以上見ることが出来ました。この辺りを通ってさらに南下していきます。

大天荘直下までくると今日歩いてきた稜線を全て見ることが出来ます。

お昼過ぎに大天荘へ到着し、その後、東天井までお散歩。常念岳がぐっと近くなり、違った景色を楽しめました。
かつて、安曇野から東天井岳を登り、二ノ俣へと下り、槍へ登るルートがありました。この付近では、その名残を見つけることが出来ます。

夜は強い風が吹き、大天荘もガタガタ揺れる程でした。出発する頃にはだいぶ収まってきましたが、風を通さないカッパやダウン、ニット帽、手袋など寒さ対策万全で出発しました。
今日は12時間という長い行動になります。

「ビックリ平」を過ぎるとより近くなった槍ヶ岳が姿を現します。日差しがあっても風があると寒いので、休憩は風の当たらない場所を選んで休みました。雨の日でなくとも体を冷やさないことが大切になります。

西岳近くにくると今日のハイライト、東鎌尾根が真正面から見えてきます。

西岳を下った辺りからの紅葉がとてもきれいでした。その中を歩くのはとても気持ちのいいものです。「きれい」という言葉を何度口にしたことでしょう。

東鎌尾根は次第に細くなり、急になってきます。少し緊張しながら歩くことになりますが、この緊張感も山でしか味わうことが出来ないものです。

目線を下に下げれば、今が一番美しい時なのでしょう、秋色に染まる槍沢を見ることが出来ました。緊張の続く中、気持ちをほっとさせてくれました。

ヒュッテ大槍に荷物を預け、身軽になって出発です。午後遅くなると気温が急に下がるのでしっかりと着込んで出掛けました。さあいよいよ槍の穂先へ向かいます。その前に皆さん緊張と期待の一枚です。

しっかり3点支持をしながら、一歩ずつ確実に登ります。

憧れの槍ヶ岳に登頂です。皆さんとてもうれしそうです。

山頂からは小さくなった燕山荘を見下ろすことが出来ます。ずいぶん歩いてきたことを感じます。登頂の喜びもなおさらですね。

山頂から下ろうとすると、西日に照らされた槍の穂先の影がはっきりと現れ、その先にブロッケン現象が見られました。何ともうれしい登頂となりました。

無事にヒュッテ大槍まで戻り、ワインで乾杯です。

下山の朝、美しい朝焼けとなりました。今シーズン一番の冷え込みとなり、ヒュッテ大槍では厚い氷が張っていました。そして、前日まであった木々の葉っぱは落ちてしまい、一晩で全く違う景色になっていました。

今回のツアーは、風の強い日が続き、晴れていても寒い中での稜線歩きとなりました。それでも美しい紅葉の中を秋晴れの空の下歩くことが出来、そして槍ヶ岳に登頂出来て、とても楽しい登山となりました。

現在、稜線の紅葉は終わり、晩秋といった雰囲気になっています。それでも下の方ではまだまだ紅葉は楽しめます。防寒対策をしっかりとして深まる秋をお楽しみ下さい。とてもきれいです。
山は季節毎に違った美しさを見せてくれます。

担当ガイド:井村克彦  河地清人  榊 寛昭
写真:河地 稲垣
文:河地

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