燕・歳時記 Special

燕山荘通信

2015-2016燕山荘年末年始冬季営業総集編


2015年から2016年に渡っての営業となりました燕山荘年末年始営業は、去る1月6日のご宿泊をもちまして終了し、スタッフも1月8日、無事に下山致しました。今シーズンも大勢の方にご利用頂きまして、スタッフ一同心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

【燕山荘 年末年始冬季営業 総集】

エルニーニョ現象が顕在しているこの冬、燕岳をはじめとした長野県下の山々は、比較的どこも穏やかな年の瀬、年初めとなり、目立った大きな事故がありませんでした。それは、例年よりかなり少ない積雪であったこと、厳しい寒波や嵐に見舞われなかったことなどが大きく起因したのでしょう。
そう考えますと、厳冬期における遭難防止のためには、寒さや風からいかに体温を奪われないようにするかが大きく左右するのだと改めて理解できたように思います。
そんなこの年末年始の印象に受けたシーンを、数枚の写真と共に振り返りたいと思います。

【不変の美しさ】

標高が低い所ほど期間を通して積雪の少なさが際立ちましたが、2,700メートルの稜線上は徐々に積雪を増し、やはりこの時期の不変の美しさを見せてくれました。

【クリスマス、大晦日】

12月31日に現れた太陽柱

大晦日の振る舞い酒

オーナー赤沼の2015年締めのアルプホルン演奏

【新年、お年玉、書初め】

元旦のお雑煮

お雑煮の準備をするスタッフ

元旦、オーナーからのお年玉

一年の思いを込めたお書き初め

【数年ぶり!元旦 燕岳バックにお餅つき】

搗き立てのお持ちを、黄な粉と小豆餡で召し上がっていただきました。
新年元旦の日、数年ぶり冬晴れの下、燕岳バックにお客様方にお餅つきして頂けたことは、とても気分のよいものとなり、新年早々最高の出来事です。

【冬季燕岳登頂ツアー全員登頂】

強風に備える耐風姿勢

ここ数年、冬季登頂ツアーは悪天候に阻まれ、燕岳の登頂断念が幾度かありましたが、今シーズンは4回とも全て無事完登を果たすことができました。(写真は第4回ツアーの様子です。)

第4回ツアーお客様の声
「頂上にも登れ、日の出も、北アルプスの広大な山々を望むことが出来、本当に良かった。」
「荒れた冬山の風が経験出来てうれしかった。耐風姿勢を教えてもらってすぐ活用できたのも良かった。」
「講師ガイドさんの経験豊かなお話は今後役立ちそうです。」
「社長さんの雷鳥など動植物の話は大変良かった。」

ガイド:井村克彦 大蔵喜福氏

【ヤマテン山小屋出張講座in燕山荘】

12月26日、27日、夕食後株式会社ヤマテンさんの企画で山の気象講座を開催しました。講師はヤマテンの猪熊隆之氏。
冬山の気象において一番重要なことは風向きと風の強さ、そして地上・高層天気図から寒気の強さを読めるようになることだそうです。その上で、冬山の遭難で原因の一つに挙げられる事の多い低体温症、風・寒さ・濡れ、この3つがキーワードになりますが、冬山気象の重要ポイントと似通っていることがよくわかります。汗などをかき、濡れた身体や衣類に寒さや風が吹き付けられると、冬山ではそれだけで命取りになりかねません。まずは、極力汗をかかない程度のペース配分や荷物の軽量化を図り、特に手足頭といった末梢神経を暖かく包む手袋や雪山用の靴に帽子を装着する、とても大切なことです。

【冬期スタッフたち】

ルート工作に出かけるスタッフ
ハイマツの上を歩くと、枝が折れて二度と蘇生しなくなってしまうため、慎重に赤い旗竿を立てていきます。

手作りのクリスマスケーキに思わずにっこりするスタッフ

きれいな雪を切り出して水を作ります。
年末年始は水が非常に貴重な時期で不足しておりますので、ご協力をいただきました。

コタツに使う豆炭作り
年末年始の燕山荘にはコタツが設けられます。いつもと趣が変わります。

いつもは、雪が乾燥して固まらないので作れなかった雪ダルマも、今年は作りやすい雪でしたので、大きい雪ダルマが出来ました。

冬期スタッフ集合
このメンバーで年末年始の営業とツアーのガイドを行いました。

改めまして年末年始ご利用頂きました多くの皆様、ありがとうございました。
燕山荘は4月下旬までしばらくお休みを頂き、2016年シーズンは4月23日土曜日からオープン致します(予約開始3月1日火曜日)。
既に肌身で実感しているこの暖冬ですが、春小屋開けの燕山荘はたくさんの雪があるのか、はたまた少ないのか、どんな表情を見せてくれるか、今からドキドキワクワクです。
燕山荘では、四季を通して自然の素晴らしさを体験して頂きたく、年間を通じ様々な山登りのサポートをしています。殊、一年で最も美しいと称される冬山雪山に限っては、誰もがいつでも簡単に行けるわけではありません。技術や経験など段階を追って学ばなければいけませんが、その冬山雪山の素晴らしさを一人でも多くの方にお伝えしたい・・・そこでご提案として、①スノーシュー→②春山登山教室  →③冬季燕岳登頂という段階をおってお越しいただくことをお勧めしています。

1月30日土曜日より燕山荘スノーシューツアーを11回開催いたします。いずれも燕山荘HPトップ画面より予約を賜ります。

これから迎えるスノーシューシーズン並びに燕山荘2016年シーズンにお出かけになるご予定の方々をはじめ、多くの登山愛好家の皆さんが、事故怪我なく、楽しい山登りが今後も続けられますよう、スタッフ一同せつに願っております。

撮影:赤沼健至、井村克彦、河地清人、榊 寛昭
文:榊 寛昭

株式会社燕山荘 松本事務所

〒390-0874 長野県松本市大手2-3-10

0263-32-1535 0263-32-0898

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