燕・歳時記 Special

燕山荘通信

燕岳ビギナー春山登山教室を通して 大型連休点描


2023年の大型連休、燕岳周辺においては遭難などなく、加えて空模様も大きく崩れる日はなく、穏やかな日々が流れました。
新型ウィルス感染症が世間を騒がしてから3年以上の時が経ちました。周囲を見渡せば、まだまだマスクやアルコール消毒といった感染対策は払拭できない状況ではありますが、登山者同士交わす言葉や表情は、かつてのように気を張らずリラックスした雰囲気が漂っているように感じました。

 

ヒトの喧騒はお構いなしに、燕山荘周辺の雷鳥は、今年もあちこちで元気な姿を現し、我々の目を和ませてくれています。

変わらずに何かと騒がしい世の中ではありますが、せめて山の上にお越し頂いた時だけでも、喧騒を忘れ、大自然の素晴らしさと感動を体験して頂きたいと思います。心身共にリフレッシュして頂けるよう、燕山荘グループとして今後もそのお手伝いをスタッフ一同努めてまいります。

 

 

「燕岳ビギナー春山登山教室」を通しての、大型連休中 点描です。

年末年始の厳冬期以上に、4月5月の雪山のほうが滑落事故のリスクは非常に高まります。なぜなら、冬の間に雪面が徐々に圧縮され、固いバーン状となりやすい条件が整いやすいのが今頃の時期。適切な雪上での歩行技術が求められます。絶対に「転ばない」「滑らない」ことが、とても重要です。

同時に、いざ滑ってしまった際の対処法の一つである「滑落停止」の技術は、正しいアイゼンやピッケルの使い方が大切になってきます。この春山登山教室では、その基礎的な内容をレクチャーさせて頂き、雪上歩行のバランス向上を狙います。

 

燕岳の麓 安曇野の田んぼは、毎年大型連休の前後に田植えのシーズンを迎えます。
水田に張られた水が朝陽を浴びる、そうしますと稜線から眺めた時にその水面がキラキラと輝き、なんとも言えない美しい光景を目にすることができます。この時期ならではの風物詩です。

 



例年大型連休中は、上空の寒気の影響でしばしば寒の戻りがあり、その都度強風もしくは雨から雪に変わるといった激しい気象現象に見舞われること少なくありません。
とは言うものの、今年は比較的穏やかな陽気が続きました。時にはレンズ状の雲が空一面覆ってみたり、日暈が出現したり・・・一日として同じ空は広がらない、そんな観天望気も楽しみの一つです。

 



稜線上はまだまだ残雪多い雪山ですが、燕岳登山口周辺や、合戦小屋直下の陽当たりよい斜面には、次々と春の訪れを告げる花々が咲き出しています。
カラマツの新緑、淡い緑色と青空のコントラストが美しい季節です。

 

燕山荘への道中、休憩地点である合戦小屋。大型連休中、日中天気のいい日は、外での売店販売となり、お汁粉はじめ、豚汁やカップ麺、コーヒーなど盛況でした。
以降、当面5月中は週末のみの営業となりますので予めご了承願います。行動食は必ずご持参ください。

 







例年よりかなり少ない残雪量、加えて雪融けもぐんぐん進んでいるとは言うものの、合戦小屋(標高2,350m)より上部は、まだまだ雪山に変わりありません。
6月半ばくらいまでは、雨ではなく雪が降ることも珍しくはありませんし、積雪が増すこともあります。
当面アイゼンとピッケルの携行をお薦め致しますが、防寒着等の装備も含め、最終的にはご自身の技量に委ねられます。装備の選択は慎重な判断でお願い致します。

また、種々の「週間天気予報」は、後半の日にちになるほど精度が欠けますので、上山直近の気象情報を必ずご確認頂き、無理のない山行計画をお立て願います。

 

▲登山教室第1回ご参加の皆様

 

▲第2回ご参加の皆様

 

▲第3回ご参加の皆様

 

▲第4回ご参加の皆様

ご参加頂きました皆様、ありがとうございました。

大型連休中の「燕岳ビギナー春山登山教室」
担当ガイド:井村、榊
写真と文:榊、赤沼大輝

 

株式会社燕山荘 松本事務所

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