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大天荘

風に翻弄、ヘリコプター。


さかきです。

   ▲日の出直前 東の空

明け方から画像の真後ろ、西からの風が非常に強く、平均して10m/s、突風的には20m/sを越える風が絶えず吹き付け、それに伴い雲が次から次と流れ込んでくるような日の出直前でした。
今日はヘリコプターの空輸作業予定日だったということもあり、視界はまずまずでも、強風で予定通りの運航が叶うかどうか、朝から気を揉みました。
ヘリコプターの空輸作業は、荷物が揚がるばかりではなく、小屋で発生する可燃ごみや段ボール、使用済みの空ドラム缶やプロパンボンベといったものを下げることも行います。時には、トイレで汲み取ったし尿タンクを下し、里の業者に処理を依頼したりもします(廃棄物の処理に空輸コストなどがどうしてもかかる関係上、山小屋のトイレでは、トイレチップ代を頂いているところが多くあるのはそういった事情がある旨、ご理解頂ければと思います)。

さぁ、今日の空輸作業の準備がある程度整いいざ!というところで、視界は良好でも強風の関係でしばらく運航見合わせの一報が入り、しばらく待機状態となります。

空輸作業のある時は、必ずこの画像にある吹き流しを立てます。風向風速の目安を視覚的にパイロットに知らせる大切な役目があるわけです。
今日は昼過ぎまでこの吹き流しがほぼ真横から上を向いていました。真横以上に靡く時は、
平均10m/s以上の風が吹いている証拠です。
とかく山岳地帯は気流が乱れやすい特徴があり、地上にいる我々ではわからない乱気流があったりするようで、実際パイロットが辺りを飛行し、実際に荷物を吊って空輸できるかどうかの判断を下します。

正直今日はもうあきらめかけていました。

・・・と、急遽夕方間際、なんとかやってみましょうかとの機長判断。
吹き流しは徐々に角度を下げていきましたが、上空の雲の流れは相変わらず早く、次々と西から黒っぽい雲がやってくる始末。かなり気流悪そうで、きっと難しい操縦を求められるのだろうなと思う最中、颯爽と眼前に。

今日の機長も、東邦航空の山岳飛行にかけては非常に長けた、これまたレジェンド的存在のお一人。
我々が肌身で感じる風以上に、やはり今日はかなり気流が不安定だったようですが、そこはあらゆる経験を克服した、その巧みな操縦で、こちらが要求する場所にピンポイントで荷物を着地させていきます。
瞬く間に荷揚げされた荷物。明日にかけて徐々に片付けていきます。


毎度のことながら、山岳飛行という難しい条件の中、果敢にフライトして頂ける東邦航空のクルーの方々、本当にありがとうございます。

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