暴風。
4時52分、ぼんやりと太陽が顔を出しました。しかし、すぐに雲に隠れてしまい、その後は太陽の姿を見ることはありませんでした。今日の天気が下り坂へ向かっていることを物語っていました。
段々と風が強くなって来て、玄関横のこいのぼりは今にも飛んでいきそうな勢いで泳いでいました。とにかく今日は風の強い一日となりました。ただ南寄りの風だったので気温はそれ程低くはありませんでした。
テント泊の方はこの強い風を避けるため、雪のブロックを積んで高い壁を作っていらっしゃいました。
時間が経ち、寒冷前線が近づくにつれて、さらに風が強くなってきました。まずはじめに大天井岳や穂高岳連峰の上にレンズ雲が現れ始め、その後、燕岳の上にも同様の雲が現れ始めて来ました。地形の影響かここより合戦小屋の方が風が強く吹いていました。この強風の中、歩いてこられた方はこの風にかなり体力を奪われたとおっしゃっておられました。登山において風というのはとても厄介なものです。今日は気温がそれ程低くなかったのですが。
こんな天候でしたが、日中はなんとか雨が降ることもなく、燕山荘企画の春山登山教室の皆さんは燕岳の山頂に立つことが出来ました。今日の様な天気はなかなか珍しく、良い経験が出来たことではないでしょうか。また、イルカ岩の近くで雷鳥に会うことが出来て、大満足の登山になったのではないでしょうか。いつもなら燕山荘の近くで雷鳥が見られるのですが、今年は見ることが出来ていなかったので心配していたのですが、どうやらイルカ岩の辺りにいたようで、ちょっとだけ安心しました。
ただ、個体数が減っているのではないかという心配はあります。
今回の低気圧の雨はこれから降ってくるようです。明日の朝には止んでいてくれるといいのですが。この前線の通過後、再び気温が下がりそうです。まだまだ山の上は冬に支配されています。
河地