2025年今シーズンもありがとうございました。
最終日の朝、玄関先の温度計は－４℃台、風もそれほど強くなく、穏やかな朝を迎えました。今シーズンの最終日に相応しい朝で多くの方々がこの美しい御来光にきっと感動されたことでしょう。
そして、今日も美しい朝焼けを見ることが出来ました。３年より前はとにかく雪が少なく、小屋締めの日でも雪がないことが多かったのですが、昨年今年と小屋締めの頃には雪があってくれて暖冬が話題になることが多い中、ここ2、３年の傾向はちょっと安心できるものとなっています。
そんな素敵な日の出のが終わり、８時頃になると皆様下山され始めました。次は冬期営業でね、という方やまた来年、良いお年をとそれぞれの一時のお別れとなりました。下山される皆様をお見送りを終えると今シーズンは終わったんだなと感慨深いものがありました。
皆様をお見送りした後は本格的な小屋締め作業となりました。今シーズンは１３時までの昼食営業をもって、すべての営業が終了となりました。山頂方面に張ってあるロープも雪に埋まってしまうのでその回収作業に一人で出掛けさせてもらいました。誰もいない中、今シーズンを振り返りながら歩かせていただくというぜいたくな時間を頂きました。燕山荘から見えない前穂高や剣岳もきれいに見えました。
天気は下り坂へ向かっているようでだんだん雲は増えてきましたが、その隙間から差し込む光が富士山にあたり、とてもきれいでした。１１月になって富士山が見られる日が多かったようなきがします。
明日は天気が崩れてきそうなので今日中に外回りの片付けは終わらせました。こんな天気なら日の入りは期待できないなとこの後は小屋内の片付け作業となりました。
そして、槍方面には早くも雪が降り出してきたようでした。
しかし、何となく外を見てみると太陽の光が差し込み、燕岳がいい色に染まっていました。中で片付け作業をしているみんなに声を掛けました。普段であれば食事の準備や洗い物などで日の入りを、スタッフは見る機会が少ないので、今日くらいはスタッフだけで見させて頂きました。
こんなに美しい日の入り。そう何度も見られるものではありません。太陽柱も見られました。誰もいなくなり僕たちだけで見るのはなんだか申し訳ないような気がしました。
明日には何とか下山できる目途もたちました。今シーズンは中房線の崩落により、しばらくは送迎バスのみにより通行となり、送迎のために多くの方々にご協力いただきました。また、燕山荘の必要物資の搬入も大きな車が入れず、軽自動車で何往復もしてくださった業者の皆様、本当にありがとうございました。そして、そんな中でも燕山荘に多くのお客様にお越し頂きまして本当にありがとうございました。８月中旬には道路も開通し、通常通りお客様にお越しいただけることのありがたさを改めて感じさせられました。燕山荘の生命線でもある中房線を維持管理して頂いている方々の御協力があって、燕山荘はあるのだなと改めて感じさせられる一年でした。
今シーズンも多くのお客様にお越し頂きましてありがとうございました。このブログで少しでも燕岳の素晴らしさを皆様にお伝え出来たとするならば、それはうれしい限りです。燕岳は本当に景色のいい素晴らしいところです。ひとりでも多くの皆様にこの景色をお楽しみいただけるよう頑張っていきたいと思います。今シーズンもありがとうございました。また、冬期営業でお会いしましょう。
河地
