日暈と雲海に抱かれて歩く秋の稜線
休暇を利用して、燕山荘までアルプス銀座を歩いてきました。
普段はヒュッテ大槍から見上げる山や空を、今回は歩きながら別の角度から眺め、改めてその奥深さを感じる旅になりました。
縦走の途中ヒュッテ西岳が見えてくると、太陽の周りに淡い光が浮かんでいました(日暈)。
これから続く道の背中をそっと押してくれるような、印象的な瞬間でした。
ヒュッテ西岳を出発して歩いている横には、常念山脈の稜線を白い雲が滝のように流れ落ちる様子が広がっていました。
赤岩岳付近では、雷鳥の姿を確認いたしました。
大天荘に到着した頃、眼下には一面の雲海が広がり、頭上にはうろこ雲が浮かんでいました。
雲海には雲の波が押し寄せているように見え、ただベンチに腰を掛けて深呼吸を繰り返しました。
この日、この場所まで歩いたものだけが味わえる静謐なご褒美でした。
燕山荘へ再び足を進めると、雷鳥の群れに遭遇しました。
全て写ってはいませんが多くいたので、数えてみると今回は10羽でした。
蛙岩付近で雲が切れ、奇岩の印象が一層際立ちました。
燕山荘付近から歩いた道を振り返ると、槍ヶ岳が雲の切れ間から姿を現し。
反対側を見ると、大天井岳方面は雲海を湛えていました。
この日歩んできた道のりを振り返ると、一歩一歩の積み重ねが深く心に刻まれていることを実感いたします。
アルプス銀座を訪れる皆様に、この秋の山の時間を大切にお過ごしいただけますよう、心よりお祈り申し上げます。
港
