バスならではの。
6月2日(月) 午後1時現在の気温:17℃ 天気:晴れ
くらやです。
ぬくもりを帯びた陽ざしが朝から中房渓谷に差し込み、自然の暖かさに触れる素晴らしい朝です。
ここ数日とても寒かったこともあり、久しぶりに春の続きを思わせる一日の始まりに少し心が躍りました。
気が付いたら6月に入り、九州の南側ではもう、一部地域は梅雨入りしているところもあり、もうすぐここ信州の梅雨入りも見込まれそうな雨続きでした。今のところの予報では6月中頃のようです。
しかし、雨も一概に悪い物ではなく、こういった晴れの日を喜べる機会を与えてくれた!と考えることもできますし、山小屋にとっては大切な水の確保にも繋がります。自然の恵みとよく言いますが、ここにいると余計にそれを実感できるような気がします。
中房線の崩落事故により交通手段がバス、タクシーと限られる現状ですが、見方を変えれば自身で運転をしなくてもいいとも言えます。
今中房渓谷は新緑シーズンの真っ只中。バスはゆっくりと目的地を目指して走ります。
その間は窓の外を眺めて、麓から段々と変わりゆく葉の色の濃さや生えている植物の違いなど、マイカーでは見落としがちなところまで目を向けることができます。
そうして眺めているとこれから登る稜線も見えて来て、登山へのモチベーションも高まります。
雪解けや雨によって勢いが増している中房川の中腹も途中にあり、橋の上からその綺麗な水の流れを見る事もできます。
この川には渓流魚も泳いでおり、渓流釣りを目的に来られる方もたまに見受けられます。
※犀川漁業協同組合が販売している釣り券(遊漁券)が必要です。
朝の時間であれば木漏れ日が射し込み、道路の裏面までも美しく自然の装飾が施されているように輝いて見えます。
少し見上げれば日光に透けて緑の光を浴びれます。山ならではの贅沢な日光浴です。
中信森林管理署の「中房国有林」の看板を過ぎるともうすぐです。
一部にはシダ植物が群生しているところがあります。シダ植物は4億年前からその姿をほとんど変えず、太古から地球を彩る植物として有名です。恐竜の映画など見ているとよく見かけますよね。一瞬だけ、タイムスリップしたような気持ちになれます。ワクワクしますね。
その先、有明荘を横目に温泉橋をとおればもう登山口は目の前。
お疲れさまでした。燕岳登山口です。
これからの山行と待ち受ける景色に、胸を躍らせながら、皆さま楽しく、安全に山を目指してください。
お帰りは有明荘の大きな温泉が、皆さまをお待ちしていますよ。
(藏屋)
