燕・歳時記 Special

燕山荘通信

冬期燕岳登頂ツアー(第1回目)開催しました


冬期営業中のイベント「冬季燕岳登頂ツアー」の第1回目を12月23日~24日に開催しました。
天候が心配される中でしたが、2日目に燕岳に登頂出来、その後天候がみるみる回復し真っ白になった美しい景色が広がりました。

登山口周辺

前日、中房では気温が高めで雪ではなく、雨が降ったようで、第1ベンチ辺りまではシャーベット状になった雪が凍ってガリガリだったので、登山口からアイゼンを付けてのスタートとなりました。

富士見ベンチ
営業開始二日目とあって、トレースはだいぶしっかりとしてきて歩きやすくなっていました。富士見ベンチ~合戦小屋は雪がまだ多くないので、夏道伝いになっています。
冬山において大汗をかくというのは体が冷えてしまいいいことではありません。燕山荘のツアーはなるべく汗をかかないようにゆっくりと歩き、ベンチごとに軽めの休憩をします。長い休憩は汗をかいていなくても体を冷やしてしまいます。冬山では体を冷やさない工夫が大切になってきます。

合戦小屋
当日、お天気は下り坂でだんだんと風雪となっていきました。合戦小屋より上部では森林限界を超えるため、特に悪天時の気象条件は非常に厳しくなり、稜線では何もできません。合戦小屋で服をもう一枚着たり、場合によってはバラクラバをつけるなどしたほうがいいかもしれません。また、アイゼンや靴ひもが緩んでいないか確認するといいでしょう。行動食も口にしておきましょう。強風時、これらの作業をすることは非常に困難になります。

初日は風雪の中、燕山荘への到着となりましたが、風は強かったものの気温はマイナス6℃と冬としては厳しくない天候でした。

翌2日目は天気は回復へ向かいそうだったので、燕岳の登頂を目指すことにしました。

歩き出して少しするとオスのライチョウに出会いました。真っ白なライチョウに出会うチャンスは少ないものです。

メガネ岩にもびっしりと岩氷が付き、真っ白になっていました。

燕岳登頂
山頂へ着いても天気は回復しませんでしたが、冬の燕岳のピークに立つことが出来て、皆さん大変喜んでいらっしゃいました。

燕岳から戻る途中、サンピラーを見ることも出来ました。

小屋へ着くころには天気も回復してきて、真っ白になった燕岳・槍ヶ岳も見えてきました。北アルプスの中で燕岳は比較的晴れる日が多いですが、やはり冬山は晴れる日が少ないです。

風雪から始まり、ライチョウ、サンピラー、真っ白な山々と冬山の素晴らしさをたくさん体験出来、皆さんで楽しく下山を開始しました。燕山荘から少し下るとさらに素晴らしいものが待っていました。ビッシリと付いた霧氷が出迎えてくれました。本当に素敵な気分でした。

その霧氷は夕方になっても残っていて、夕陽を浴びて、また違った美しさを見せていました。

ツアー初日はクリスマスケーキのサービスもあり、山での楽しいホワイトクリスマスとなりました。

合戦尾根のトレースはだいぶしっかりとしてきました。これはみんなで作ったものです。このトレースがなければ冬の燕岳に登るのは非常に大変になります。トレース上を尻セードなどしてトレースを崩さないようお願いします。
このトレースも雪が降ると消えてしまうことがありますが、目印になるよう赤い旗を立ててあります。その脇を通れば、踏み抜きは少なくて済むかと思います。
わかんは使わない場合もありますが下山前日に雪がドカンと降ってしまうこともありますので、お持ちになった方がいいです。また、合戦尾根ではスノーシューは歩きづらいと思います。わかんの方が適しています。

積雪量は例年より少ない状態が続いていますが、日に日に雪の量は多くなってきています。冬山は厳しい面も多くありますが、素晴らしい美しさを見せてくれます。

燕岳をバックに皆さんと
ご参加いただいた皆様ありがとうございました。

写真・文 河地清人

株式会社燕山荘 松本事務所

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