◆燕山荘通信・国際ライチョウ会議参加者の燕岳~大天井岳ツアー◆
H24.7.31 更新


世界のライチョウ研究者が集う「国際ライチョウシンポジウム」(国際ライチョウ学会主催)が7月20日から長野県松本市で開催され、日本を含む15カ国約90人が参加されたようですが、その中の14名の方が、燕岳から大天井岳を縦走されました。


〈国際ライチョウシンポジウムに参加された研究者の皆さん〉


〈槍ヶ岳を望みながら大天井岳へ向けて出発〉

「国際ライチョウ会議の燕岳~大天井岳ツアーは、アメリカ、ドイツ、オランダ、イタリア、フランス、ノルウエー、アイスランドの7カ国から14名が参加しました。全員、大学教授、博士など各国を代表する研究者です。燕山荘や大天荘のすぐ近くで親子連れを見ることができ、とても喜んでいました。日本のライチョウは小屋のすぐ近くで繁殖すること、人間を恐れないこと、すぐ近くで見ることができることなどに対してとても驚き感動していました。またチョウゲンボウが上空を旋回すると、親は警戒音を発しヒナを守っていました。」
(文:同行者で燕山荘雷鳥観察会講師の植松晃岳氏)


下記はこのツアーにも参加された、ドイツのフライブルク大教授イルゼ・シュトルヒさんの記事です。
【2012.7.29信濃毎日新聞 山ろく清談掲載】 
ー独フライブルク大教授(野生動物生態学)イルゼ・シュトルヒさんー

「現在、世界の哺乳類、鳥類など昆虫を除く全生物種の20~25%が絶滅の危機にひんしています。人間が野生生物の生息環境を脅かしていることが大きな要因ですが、今後、さらに深刻な影響を与えるのが地球温暖化による気候変動です。
 ライチョウを例に考えてみましょう。世界では大きく分けると19種が生息していますが、そのうち6種が絶滅の危機にあります。国の特別天然記念物に指定されている日本のライチョウは6種に含まれていませんが、地球温暖化が将来的にその生存を脅かしかねません。
 日本のライチョウは、北アルプスや南アルプスなど一部の高山帯で生き延びてきました。ですが、山頂近くの標高の高い場所だけに、気温上昇に伴いその生息環境が狭まれば逃げ場がありません。
生息域が限られる日本のライチョウは、ひとたび危機が迫ると加速度的に生息環境が悪化するので、絶滅の危険度は極めて高いのです。
 世界の最南端に生息する日本のライチョウは、島国独自の文化的な背景に守られてきたという意味で世界の研究者にとって特別な存在です。
 欧州では何千年にもわたって狩猟の対象だったので、人の気配を感じるとすぐに逃げてしまう。日本では高山が信仰の対象となっており、森林限界の上にすむ動物は神聖と考える宗教観があった。そうでなければ、日本のライチョウは絶滅していたでしょう。人々の心に入り込んだ存在として、単に自然遺産でなく「文化遺産」として保護を訴えていくべきです。ー以下略」


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